受験情報
2021.06.15
目次
立教大学の「大学入学共通テスト利用入学試験(共通テスト利用)」では、英検など外国語検定試験のスコアをもとに合否判定してもらうことが可能です。
通常通り共通テストのスコアだけで合否判定することもできますが、英検のスコアがあれば英検と共通テストの英語科目のうちいずれか得点が高い方を合否判定に使ってもらえるため、よりお得だと言えるでしょう。
今回は、立教大学の共通テスト利用における外国語の取り扱いについて解説します。
それぞれ何点に換算されて合否判定されるのか詳しく解説するため、参考にしてみましょう。
大前提として、立教大学の共通テスト利用に英検のスコアは活用できます。
より詳しくお伝えすると、「実用英語技能検定(通称:英検)」における「英検(従来型)」「英検CBT」「英検S-Interview」「英検S-CBT」の4種類のスコアを提出できます。
また、「ケンブリッジ英語検定」も対象です。
これは共通テスト利用だけでなく全学部入試にも利用できるため、覚えておきましょう。
つまり、英検で高いスコアを取っておけば共通テスト利用でも全学部入試でも有利になると言えるのです。
立教大学の共通テスト利用で英検スコアを合否判定に使う場合、得点換算をおこないます。
これは外国語検定試験ごとに満点や配点が異なるため、単純な点数の合計では合否判定にブレが生じるからです。
点数を平準化し、通常の共通テスト同様200点満点に換算することで公平かつ公正な合否判定が可能になります。
下記では、英検スコアの換算方法を紹介します。
2022年度入試における合否判定では、英検(CSE2.0)で2,300点以上取得した場合、共通テストで満点を取ったときと同じ扱いである200点が加算されています。
英検で2,265点だった場合は共通テスト外国語試験95%相当である190点を、英検で2,195点だった場合は共通テスト外国語試験85%相当である170点となります。
ケンブリッジ英検も、英検と同様に得点換算がおこなわれます。
160点以上の場合は100%換算となる200点、158点の場合は95%相当である190点、154点の場合は85%相当である170点になります。
それ以下の換算表は公開されておらず、あくまでも参考程度にするとよいでしょう。
立教大学では毎年の外国語試験の難易度に応じて得点調整の幅を変えており、2022年度の換算表が2023年度にも使用されるとは限りません。
実際、立教大学のHPでは早くも2023年度版の得点換算表が公開されており、下記の通りとなっています。
・英検の場合
2,450点以上:100%相当の200点換算
2,400点:95%相当の190点換算
2,300点:85%相当の170点換算
・ケンブリッジ英検の場合
170点以上:100%相当の200点換算
166点:95%相当の190点換算
158点:85%相当の170点換算
なお、外国語検定試験を複数個受験した場合、最もスコアの高い成績が合否判定に使用されます。
外国語検定試験を受けずに共通テストに臨んだ場合、通常通りリーディングおよびリスニングの得点をシンプルに加算する方式で合否判定に使うことを知っておきましょう。
年度により得点調整が入る可能性はありますが、合格可能性を増やしたいのであれば全学部入試も視野に入れて外国語検定試験のスコアも高めておいたほうがよいでしょう。
立教大学の共通テスト利用で使える外国語検定試験は、英検だけではありません。
「GTEC(4技能版)」「IELTS」「TEAP」「TEAP CBT」「TOEFL iBT」も使用できるため、スコアを持つ人は出願時に証明書を添付するとよいでしょう。
下記では、それぞれの外国語検定試験ごとの得点換算を紹介します。
なお、下記の情報は2023年度入試用の得点換算表を参考にしています。
1,270点以上:100%相当の200点換算
1,230点:95%相当の190点換算
1,150点:85%相当の170点換算
6.0点以上:100%相当の200点換算
5.5点:95%相当の190点換算
5.0点:85%相当の170点換算
342点以上:100%相当の200点換算
328点:95%相当の190点換算
300点:85%相当の170点換算
690点以上:100%相当の200点換算
655点:95%相当の190点換算
590点:85%相当の170点換算
83点以上:100%相当の200点換算
78点:95%相当の190点換算
68点:85%相当の170点換算
英検CSE2.0の場合、スコアではなく級ごとに細分化されていることが特徴です。
いわゆる「英検2級合格(不合格)」などスコアではなく合否判定が出るため、どう得点換算されるのか不安な人もいるでしょう。
立教大学では、英検CSE2.0を使用した場合の点数についても公開しているため下記を参考にしてみましょう。
英検準1級に合格している場合、共通テストにおける200点満点で換算されます。
つまり、英検準1級に合格していれば共通テスト当日に満点を取ったのと同じ扱いになるのです。
1点を争う激戦になることが想定される大学受験市場において、「満点換算」は非常に大きなリードとなるでしょう。
一般的に高校3年生と同等なレベルは準2級もしくは2級とされているため準1級の難易度が高く感じられるかもしれませんが、英語が得意科目である人はぜひチャレンジしてみましょう。
英検2級に合格している場合、170点以下で換算されています。
準1級と2級の扱いが大きく異なることがわかるでしょう。
共通テストにおける170点数は85%程度であり、英語が苦手でなくきちんと基礎・基本対策をしてきた受験生であれば容易に獲得できてしまう点数です。
前述した他の外国語検定試験のように90~95%程度の換算になる級数がないため、英検2級程度だと相当厳しい戦いになると予想できるでしょう。
そのため、「英検準1級の合格が難しい」と感じる人は、英検CSE2.0ではなく他の外国語検定試験を受けながらスコアの上積みをしていくことをおすすめします。
立教大学の共通テスト利用で使用する英検のスコアは、最も早い試験日より2年以内のスコアに限る、とされています。
2022年度入試において最も早い試験日は1月6日であったため、その場合は2020年1月7日以降に受験した英検のスコアを提出できるとわかります。
つまり、高校1年次や中学生の段階でどれだけ高スコアを叩き出していたとしても、立教大学の共通テスト利用の合否判定に使うことはできないのです。
わかりづらいと感じる人は、高校2年次に進級した春以降のスコアを提出するイメージでいるとよいでしょう。
(ただし浪人生や社会人が立教大学を受験する場合は、通常通り最も早い試験日より遡って2年以内のスコアをイメージする必要があります)
とはいえ、高校1年次に得た英語スキルは確実に翌年以降も役立つため、受験が無駄になることはありません。
早い段階から外国語検定試験対策をはじめ、高校1年次のうちに出題傾向や試験の雰囲気に慣れておき、高校2年次になった瞬間から受験に使えるハイスコアを狙う学生も多いものです。
外国語検定試験の受験チャンスは限られているため、1回1回の受験機会を無駄にしないよう、早い段階から対策しておきましょう。
立教大学の合否判定に使える外国語検定試験は多く、「どれを受験すればいいかわからない」という人もいるでしょう。
主題傾向や試験ごとの狙いが異なるため手あたり次第に受験するのは非効率であり、ある程度自分向きの試験を選定しておくことをおすすめします。
下記では、立教大学で使える外国語検定試験を紹介しながらそれぞれの特徴をピックアップします。
通称「英検」の名で親しまれている実用英語技能検定は、公益財団法人日本英語検定協会が主催する国内最大級の資格試験です。
複数ある外国語検定試験のうち日本で主催されている唯一の試験であり、小中学生のうちから受験してきた人も多いでしょう。
日常生活からアカデミックおよびビジネスまで幅広い分野を取り扱っており、受験料も比較的安価です。
3級以降は4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)の試験が課されるため、参考にしておきましょう。
「英検(従来型)」は、ペーパーテストと面接で実施します。一次試験と二次試験に分かれているため、2日間の試験日程が課されます。
一方「英検S-CBT」はコンピューター上で実施する試験であり、受験のハードルが異なります。
従来型と同じ出題形式でありながらスピーキングは吹き込み式で実施するため、1日で4技能を測ることが可能です。
なお、「英検S-CBT」は2021年4月に新設された試験であり、それまでは「英検CBT」の名で運輸されていました。
「英検S-Interview」は「英検S-CBT」の受験が難しいと感じる人向けの試験であり、合理的配慮が必要な障害のある受験生が多いです。
ケンブリッジ英検は、ケンブリッジ大学が実施している外国語検定試験です。
130か国以上で実施されている世界的権威を持つ試験であり、生涯使える世界標準の試験だと言えるでしょう。
リーディング・ライティング・ユーズオブイングリッシュ(文法)・リスニング・スピーキングの5技能を測ります。
GTECは小学生から社会人まで幅広い受験層がいる外国語検定試験であり、3種類のテストおよび10タイプの問題に分かれます。
高校1年生以降のレベルは、GTECテストのアドバンスタイプだと言われていますが、立教大学の合否判定を有利にしたいのであればGTECテストのCBTタイプを受験するとよいでしょう。
IELTSは米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、および英国を含む英語圏の国々に浸透している外国語検定試験です。
試験時間が合計2時間45分という長丁場であり、目的別にアカデミックモジュールとジェネラルモジュールの2種類があります。
TEAPは海外の大学試験および入学後のプレースメントテストに使われている外国語検定試験です。
大学教育で使える外国語能力の測定に特化しており、海外の大学を受験する人は必須のテストだと言えるでしょう。
TEAP CBTはグローバル人材に必要な思考力・判断力・表現力を測定する4技能に留まらない外国語検定試験です。
TEAPよりもさらにアカデミックな知識を問うことができるため、大学院進学などの場で活用されることも多いです。
TOEFL iBTとは、非英語圏出身者のみを対象とする外国語検定試験です。
大学や高校など英語圏の学校に通う前の入学試験およびスキルチェックのために活用されることが多く、近年は日本の大学でも活用することが増えています。
立教大学は、共通テスト利用入試に英検をはじめとする外国語検定試験のスコアを使うことができます。
試験ごとに得点換算して合否判定するため不公平感もなく、公正・公平な判定をしてくれるでしょう。
また、共通テスト利用入試だけでなく全学部入試の外国語試験にも外国語検定試験のスコアを使う必要があり、高いスコアを持っていて損はありません。
立教大学に合格したい!と考える人は外国語検定試験の受験は必須だと考え、早めに対策をはじめておきましょう。